オフィス環境を快適するポイント

オフィス環境を快適するポイント

快適なオフィス環境をつくるために、最初にすべきことは「現状のオフィスの問題点」をすべて出してみることが必要です。もちろん、すべての問題が解決できるわけではありませんが、すべての問題点を理解しておくことが必要となります。

このうえで、快適なオフィス環境をつくるためにおさえておきたいポイントをお伝えいたします。

1人あたりのワークスペースについて

基本的にはワークスペースとよばれるのは、従業員が共同使用する執務空間になります。つまり、会議室や応接室や休憩室などのスペースをのぞいた面積となります。

一般事務系の従業員の1人あたりのワークスペースは、「最低でも2坪」「プランニングが成立するのが3坪以上」「かなりゆとりの企画立案ができるのが4坪」といったかんじです。

さらに、これにOA機器などをおおく利用する場合には、さらなるスペースが必要となります。コストを計算するためにも、どれだけのスペースでプランニングを考えるのか?あらかじめ設定していくことが必要です。

オフィス内の通路設定について

事務系のオフィスの場合、通路の幅は2人以上の人間がすれ違ってもぶつからないくらいに設定します。一般的には1m20cmくらい確保しておくことが最低限のスペースとなります。

これよりもせまい通路になりますと、災害時などの非難にも差し支えがでます。オフィスとして成立しないものになる可能性があるので十分なスペース確保が必要です。

騒音対策について

一般的なオフィス内の騒音対策としては「カーペット」と「パーテーション」が有効です。とくにOA機器などの遮音や騒音吸収にはカーペットが大きな役割を果たすようになっています。ですから、材質をしっかりと見極めて選択していくことが大切です。

また、こうした部材はオフィスのデザインとしても一役かってくれる重要なアイテムとなりますので、色使いにも配慮していくと魅力的なオフィスになります。

照明と空調について

「照明」と「空調」は、オフィス環境の良し悪しを、おおきく左右するものとなります。事務オフィスの場合、照明は750から1000ルクスを確保していくことが必須です。健康や視力への影響を考えても、照明管理はとても重要です。空調は、夏場の室温は26度から28度、冬場の室温は22度、かつ、湿度は50%くらいが、心地よいレベルとなります。

もちろん、エコを意識した空調設定が必要となりますが、一定の温度管理のできるようなオフィスレイアウトにしておく必要があります。また、間仕切りの計画がある場合には、消防法に定められた条件をクリアした設置が必要になります。

収納について

収納は、高い単価のオフィスでは、もっとも頭を悩ませる項目となります。どれだけスペースを確保しても、ほぼ2~3年で書類や資料は2倍くらいまで膨れ上がるということが、どの企業でも一般的な状況となっています。ですので、高い賃料のオフィスに収納スペースを確保すること自体が難しくなってきているといえます。

解決策として、近隣に、単価の安いトランクルームを借りて収納スペースとして利用するのも良いです。新しいオフィスを有効に利用していくことができます。

リフレッシュスペースについて

多くの企業では、自分の席とは別に、リフレッシュできるスペースを確保する動きが強くなっています。大きなスペースを確保する必要はありませんが、一定の従業員が複数リフレッシュできるスペースを確保しておくことが必要となります。

分煙スペースについて

分煙は2003年に法律が施行されてから必須のスペースとなってきています。企業によってはすべて禁煙とし分煙スペースをもたないところもあり、喫煙者がオフィスの外に集まっては喫煙をするといった光景を見ることも多くなっています。

しかし、本来は分煙のスペースをきちんと確保することが重要になります。ただ、100坪以下のオフィススペースの場合、こうした施設を用意することが難しいところもありますので、共有スペースなどで利用できるオフィスを探すのも一つの解決策となります。

出退勤管理システムについて

オフィス管理のひとつとして、出退勤管理も重要なポイントとなります。労働時間管理の一貫として出入り口のIDと連動して勤務時間を管理していくシステムがあります。勤務状況の把握には、とても便利なシステムとなります。

基本的には人事部門が統括するものですが、オフィスによっては既存に設置されているIDによる出入りの管理システムからデータを受け取る仕組みを作ることも可能になります。

こうしたシステムを本格的に導入するのではなくて、クラウドを利用して導入をはかる手もあります。オフィス移転とともに残業代などを含めた人事の総合管理の体系を作り出すことも可能になるのです。

オフィス移転にあわせて、このようなシステム導入を検討する企業が増えています。これは見逃せないポイントとなっています。

労働時間管理は厚生労働省からも、かなり厳しく指導がなされている領域です。オフィス移転のタイミングは新しいシステム導入の絶好の機会でもあります。

従来であれば、かなりまとまった費用を必要としたものですが、今ではクラウドサービスの利用で初期費用がかからないシステムも増えていますので導入のハードルも下がりつつあります。

IT設備の設置について

パソコンや電話機というのは単なる端末です。しかし、ネットワークにつなげるにはITシステムを実装することが必要となります。100名以上の規模の会社になりますと、ERPなども実装しているケースがあります。

こうしたITシステムを「自社内のオフィスに設置管理する」もしくは「データセンターに移設する」という選択が、オフィス移転には大きく関係することになります。

ITシステムを自社内のオフィスにおいて設置管理していく方式をIT業界ではオンプレミスといいます。オンプレミスは、どちらかといえば従来型の管理方式であり、IT部門の管理者もそれなりに必要になります。

一方で、データセンターに設置されたVPSなどの仮想化されたサーバーを利用していけば、社内にはまったくシステムは存在しなくなります。インターネットと接続できる太いネットワーク回線を確保するだけです。

また、最近流行りのクラウドを利用すれば、SaaS, IaaS, PaaSを利用することにより、ソフトウエアを自社内で実装する必要もなくなります。オフィスの利用形態も、かなり異なるものになることが予想されます。

前述の出退勤管理と同じように、ITシステムの導入については企業としてのオフィス利用の要件として、このさき大きな選択肢となることは認識しておくべきでしょう。

内装デザインやレイアウトについて

自宅の建坪で考えてもわかることですが、独創的で他にはないアイデアが盛り込まれた内装デザインやレイアウトを実現するためには、それなりの広さを確保しておくことが必要となります。

これが1人あたり2坪で、全体が50坪のオフィスとなると、数名で事業をしているデザイン事務所のような形態でも無いかぎり、オリジナリティを発揮することはかなり難しくなります。

ひとつの目安として100坪以上のオフィスになれば、レイアウトや特別なスペースを含めて、これまでのオフィスにないものを求めることが可能になります。

しかし、100坪未満の床面積であれば、残念ながらオリジナリティにこだわることを優先させるのは業務効率を悪化させることにもつながります。十分な注意が必要です。

米国のインターネット系の企業ですと、かなり独自性の強いスペースデザインなどを採用していて、うらやましく感じる部分もあります。

しかし、長い期間での利用を考えますと、意外にオーソドックスで従業員にとって使いやすい内装デザインやレイアウトのほうが最終的には高い評判を得ることになるのです。

こうした内装デザインやレイアウトの問題は、あくまでもオフィスを利用する人たちが使いやすいことを尊重したものを心がけるべきです。オフィスにオリジナリティを求めるのならば、十分に利益がでていて、会社の資金が使い切れないくらいの状態になってから、ゆっくり考えても遅くはないのです。