従業員の増員も想定しておく

従業員の増員も想定しておく

オフィスは一度借りれば、少なくとも次の更新時期になるまでは継続して使うことになります。

したがって、移転から3年から5年といった期間で、どれだけの従業員数の増加が見込まれるか?が、オフィスの選択にあたって大きなポイントとなります。

従業員数の増員計画は、会社の事業計画にかかわるものとなります。事業の拡張戦略と結びつけて考えていく必要があるのです。

業種や業態によって増員は様々

一般的な話として、ある程度の規模の会社になると「従業員が3年間で2割増える」というのは、かなり極端な例であるといわれています。たとえ、その業界がカナリの成長産業であったとしてもです。

100名の企業であれば、120名くらいまでなら既存のオフィススペースを調整することで収容が可能となります。

ただ、これは業界や業態によってかなり異なる部分でもあります。たとえば、過去2年や3年間において、従業員数が2倍以上の規模で成長しつづけている企業といったことになれば、既存のオフィススペースを調整して従業員を収容するというのは不可能に近いです。

従業員規模や状況にあわせて増床をおこなうことが必須となります。

もちろん同じビルのなかで拡張性の可能性があるところを探すのもひとつの発想となります。しかし、景気回復の時期には、なかなかそうしたニーズに応えられるところも少ないのです。

そのため、結果的には別のオフィスを借り足していく戦略をとらざるをえないのが実情です。

こうした増員計画は、まさに企業としての事業計画に基づくものとなります。ですから、「最低限の人員規模」と「最大限の人員規模」を、常に考えておく必要があるといえます。

その一方で、ある程度の成熟企業の場合には、人員数の極端な増加は見込めませんので、既存人員プラスアルファで拡張性が求められるオフィスを検討するのが良いです。

急激に従業員を増加するとオフィスの再移転を早める

2000年以降において、おもな成長企業のオフィス移転をチェックしてみますと、やはりオフィス移転のサイクルが非常に早まっています。

更新時期が訪れるころには、すでに次のオフィスを探して統合移転をするといった企業が多いのです。企業の従業員数の急激な拡大は、事前のオフィス戦略だけではなかなか解決できないのが実情です。

したがって、オフィス移転計画を決めてから従業員数が2割を超える場合には、さらにオフィスを増床するといったことも事前に考えおく必要があるのです。

でも、残念ながら、急拡大する次期をのりこえて安定成長期に入るまでは、3年先まで見通していたとしても、どうしても計画と実態にギャップがでてしまいます。

おおよその地域を決めて、その中で需要にあわせて増床をかさねるという戦略をとっている急成長企業は意外に多いのです。

本格的なオフィス戦略は、あるていど成長が落ち着いてからのタイミングで、プランニングにまかせるというのも一つの考え方になります。

一般的な企業は2年で最大15%の増員を想定している

このように「業態」と「成長時期がどこにあるか?」によって、人員の増加はかなりちがってきます。

しかし、一般的な企業で、かつ、ある程度の成長を見込んでいるところでは15%程度の増員をレイアウト変更で対応してしのぐようにしています。

15%程度の増員であれば、オフィス内のレイアウトを少しずついじることで十分に対応することができます。

前述の1人あたり最低2坪というスペースが確保されていれば、なんとか収容していくことが可能になります。

したがって、自分の企業が、「2年間で増員が15%を超えるほどの成長を果たし、さらなる拡大を目指しているのか?」または、「2年間で増員が15%程度でおさまる成長ペースなのか?」によって移転先オフィスにたいする考え方は、大きく変える必要があります。

これがひとつの分岐点であると考えると、自社のオフィス戦略を考えるうえで、かなり参考になるはずです。

2年間で増員が15%を超えるような爆発的成長が想定されるならば、見直し期間を短くすることです。単なる移転とはちがうものとなってきますので、増床戦略をどのようにしていくか?を、しっかりと考える必要がでてきます。

そもそも、事業というのは、計画通りにはすすまないものです。

急激なビジネス拡大によって雇用人数が増えることは嬉しい悲鳴でもあります。オフィス移転の計画というのは臨機応変な対応が求められるものでもあるのです。